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イベントレポート「陶芸家・福島武山さんから教わる絵付けワークショップ」 2021年9月20日、KUTANism関連イベント「絵付けワークショップ」が開催されました。陶芸家・福島武山さんが講師を務め、「赤で骨描きをした素地(飯碗)への赤絵細描、色絵付け」をレクチャー。参加した方々はプロに教わりながら真剣に取り組んでいました。当日の様子をダイジェストでお届けします。

繊細な線を無数に織りなし、赤一色で奥行きや色の濃淡を表現する九谷焼の技法「赤絵細描(あかえさいびょう)」。ワークショップの講師は、この技術の第一人者である福島武山さんです。

講師の福島武山先生。気さくな人柄が魅力。

作業は飯碗に赤色で輪郭線を引いた「骨描き(こつがき)」の状態からスタート。参加者たちは、まず赤絵細描にチャレンジしました。
筆を持つ手の下にはタオルを敷いて、手首や腕がブレないように固定し、太い筆と細い筆を使い分けて作業を行います。福島先生は「細かく描くときは、筆に含ませる絵の具の量を調整して、筆先を整えることが大事」とアドバイス。絵の具は「お醬油くらいの濃さ」を目安に溶いていきます。筆を持つ手には、親指・人差し指・中指が外に出る白手袋をはめます。赤絵細描は繊細なので、描いた線が皮脂や摩擦で消えないようにするためです。水で薄めた淡い赤色「薄赤」はムラになりやすいので注意が必要なほか、色味の調節が難しいそうです。
「七宝つなぎ」や「麻の葉」など3種類の小紋を描きました。時折、福島先生が実演して見せたり、先がとがった道具で絵の具を削って手直ししてくれたりするシーンも。福島先生は「まるでコンピュータ(機械)のように筆運びが正確で速い」と言われたほどの腕前。参加者はプロの技を目の前にして「すごい!」「流石ですね」と驚いていました。
続いて色絵の作業です。赤絵の絵の具とは質感が全く異なる、黄色と緑色のもったりとした釉薬を太めの筆で塗りつけていきます。

こちらは黄色の釉薬。焼成すると黄色に発色します。

色を均等に塗ったり、色の濃淡をつけたりするのが「意外と難しい」そう。
参加者のなかには「もともと福島さんのファンで、直接教えてもらえる良い機会と思って参加しました」という女性も。色絵の作業では「塗っている色と焼き上がりの色が変わるのでイメージが難しいです。でも焼き上がりがとても楽しみです」と話していました。
それぞれのお碗の高台に名前を書いて終了です。参加者が絵付けをした飯碗は福島先生の窯で焼成したあと各自の手元に届けられます。参加者は「自分で作ったお碗でご飯を食べるのが楽しみ」とか、「少人数のワークショップだったので、先生から直接指導を受けることができとても贅沢でした」と感想を述べていました。